2012年10月31日 21:52:41
「やあ、帆村さんですか」北外畜養員はニコヤカに笑った。
「貴方のお名前は兼ねてよく知っていましたよ。今度の事件はまるで、貴方に挑戦しているようなもので、実にうってつけの大事件ですなア」
帆村はこの機嫌のいい、しかし何だかひやかされているような気がしないでもない北外の挨拶に対して、頓に言うべき言葉もなかった。しかし此のまんまるく太った子供の相撲取のような男の顔を見ていると、彼が悪事を企図むような種類の人間だとは思えなくなった。帆村は勢い率直な質問をこの男に向ってする勇気を得たのだった。
「北外さん、私は園長の身体が、この調餌室か、それとも隣りの爬虫館かで、料理されちまったように思うのですがね」
「はァはァ」北外は小さい口を勢一杯に開けて、わざとらしく駭いた。「いやそれは大発見ですな」
世田谷 インプラント 葷酒山門に入るを許さず
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