2012年11月06日 00:43:02
「あれッ。パイナップルのお化け!」
と、ウェイトレスがびっくりして、とびあがった。
すると彼女のからだは、すうっと天井の方へのぼっていった。足で床をけったので、重力がきいていないから、かるがるとからだが浮きあがったのである。
「あーれエ。君、どこへいく?」
東助はウェイトレスをつかまえようと思って立上ったが、そのときやはり床をけったので、彼のからだも、ふわーり。
「おや、おや」
「あいたッ」
ヒトミによく似たウェイトレスは天井に頭をぶっつけた。そしてその反動で、こんどはからだがすーうと下り始めた。上る東助と、下りるウェイトレスとが、途中でいきあって、両方から手をだしてつかまりあったものだから、こんどは二人のからだがからみついて、空中をふーわ、ふーわ。
そのとき、紺色の幕の奥で、
「うわッ、助けてくれ」
といった者がある。つづいてがたんがたんと、机や腰掛のぶつかる音。
と、戸があいて、そこからふわーッとでてきたのは、顔中髭だらけのコック長であった。
「た、助けてくれ。コーヒーが、わしをおっかけてくる。あッ、あちちち。これはたまらん。助けてくれイ」
刺青除去 仙台 higeno - 髭の塵を払う
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