2012年11月06日 00:43:54
コック長は、一生けんめいに逃げる。
彼のからだが、池の中へとびこむ蛙のように長くのび、空間をすうーッとななめにとぶ。するとそのあとから、長い、にょろにょろした茶褐色の棒が、ぽっぽと湯気をたてながら、コック長をおっかけて、彼のくびすじのところへつきあたる。
「あッ、あちちち。助けてくれ。コーヒーをとりおさえてくれ。やけど攻めだ。わしは死んじまう」
その茶褐色の棒は熱いコーヒーだった。料理場の火の上にかかっていたコーヒー沸しの口から、にょろにょろと外へでてきた熱い熱いコーヒーだった。重力がなくなったので、コーヒーはコーヒー沸しの底にじっとしてなくなったのだ。そこへちょっとした力が働いて、液状のコーヒーは、コーヒー沸しの口から、にょろにょろと外へはいだしたのだ。
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