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見ぬ恋に憧れた

見ぬ恋に憧れたあちこちの若い河神たちが、
 八人と集って来た。彼等は思い思いの麓の野に土を掘り穿ち水を湛えた。水に映る女神の影を捉えようためである。たまたま女神は湛えた水の一つに姿をうつす。その場を張り守っていた河神は猶予なく姿を掴む。うたるる水の音のみ高く響いて、あとに残ったものは掌から肘に伝わる雫のみである。一とき聞くに堪えないような失望の呻き声が聞える。だが河神は肘の雫を啜っていう「私はこの女神のために諦めということを取失わされてしまった。消ゆるかに見えて、また立つ漣……」  岳麓にできた八つの湖、その一つ一つを見まもる八人の河神の若い瞳。その辛抱を試しみるように、湖面に、ときどきさざ波が立つ。 アンティーク メダイ あれは名言か迷言か

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