2013年01月10日 23:51:28
喬生は月のひかりで窺うと、女はまことに国色(国内随一の美人)ともいうべき美人であるので、
神魂飄蕩、われにもあらず浮かれ出して、そのあとを追ってゆくと、女もやがてそれを覚ったらしく、振り返ってほほえんだ。
「別にお約束をしたわけでもないのに、ここでお目にかかるとは、何かのご縁でございましょうね」
それを機に、喬生は走り寄って丁寧に敬礼した。
「わたしの住居はすぐそこです。ちょっとお立ち寄りくださいますまいか」
女は別に拒む色もなく、小女を呼び返して、喬生の家へ戻って来た。初対面ながら甚だうちとけて、女は自分の身の上を明かした。
「わたくしの姓は符、字は麗卿、名は淑芳と申しまして、かつて奉化州の判(高官が低い官を兼ねる)を勤めておりました者の娘でございますが、父は先年この世を去りまして、家も次第に衰え、ほかに兄弟もなく、親戚も少ないので、この金蓮とただふたりで月湖の西に仮住居をいたしております」幼稚園会計・幼稚園監査・幼稚園税務 銀座の悠和会計事務所 クレジットカードの賢い使い方
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