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それから年のこよみが四たび変わって

それから年のこよみが四たび変わって、仁平二年の春が来た。
 この三、四年は疫病神もどこへか封じ込められて、そのあらぶる手を人間の上に加えなかった。ややもすれば神輿を振り立てて暴れ出す延暦寺の山法師どもも、この頃はおとなしく斎の味噌汁をすすって経を読んでいるらしい。長巻のひかりも高足駄の音も都の人の夢を驚かさなかった。検非違使の吟味が厳しいので盗賊の噂も絶えた。火事も少なかった。嵐もなかった。この世の乱れも近づいたようにおびえていた平安朝末期の人の心もいつか弛んで、再び昔ののびやかな気分にかえると、そのゆるんだ魂の緒を更にゆるめるように、ことしの春はうららかに晴れた日がつづいた。野にも山にも桜をかざして群れ遊ぶ人が多いので、浮かれた蝶はその衣の香を追うに忙しかった。  関白忠通卿が桂の里の山荘でも、三月のなかばに花の宴が催された。氏の長という忠通卿の饗宴に洩れるのは一代の恥辱であると言い囃されて、世にあるほどの殿上人は競ってここに群れ集まった。濡るるとも花の蔭にてという風流の案内であったが、春の神もこの晴れがましい宴の莚を飾ろうとして、この日は朝から美しい日の光りが天にも地にも満ちていた。 保健師募集 産業保健師求人 企業で働く保健師になる7つの方法

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