3月に東京へ息子が行くことになった。
就職が決まったのだ。
正直ほっとしたと同時に
淋しくなったというか
心配になった。
初めての一人暮らしが
東京なのだから。
ボーナスのない会社で
物価の高い東京である。
金銭感覚がしっかりしてないと…
あー、だめだめ。
可愛い子には旅を…なのだ。
ガンガラーの谷で
息子と珈琲を飲みながら雑談。
私が子離れしなきゃね。
一緒に出かけることができるのは
この先、数えるくらいしかないだろうな。
植物に囲まれてるのって
凄く気分がいい。
川の音とか、木の葉が風で揺れる音とか。
親子の間に会話がなくても
いい心地になれる。
「やんばるとはちょっと違うね。」
すると息子は
「比地大滝とか、あそこはもっと
人の手が入っていない感じがするからなー」
あり?
初めて意見が一致したね。
あなたたちのお陰で
母さんは
本当にたくさん 勉強させてもらいました。
あなた達二人を育てながら
母親として 女性として 社会人として
どれだけ私が未熟であるかを痛感してきたことか。
あなたが二十歳になった今も
私は親として
まだ発展途上なんだな。
夢を語れる親ではなかったし
あなたの良いところ伸ばすことが下手だったし
あなたと向き合う時間をなかなか持つことができなかったし
いろいろすみませんでした。
一番辛かったのは
離婚して実家に戻ったその晩に
小さいあなたが布団の中で
「おうちに帰りたい」と泣いた時だったな。
結婚も 出産も 離婚も
皆に迷惑かけながらやってきてしまった。
それと
あなたが小学生だった頃
「早く帰ってきて」と熱にうなされながら
会社へ電話してきた時。
会社の〆日で早く帰ることが出来なかった。
本当にごめんね。
こんな私の許で
大きくなってくれて
ありがとう。
たくさんの気づきをありがとう。
あなたは4月から東京で頑張ってください。
私は自分の目の前にある
不条理なものと闘いながら
まだ自分に伸び代があるかどうか
確かめてみたい。
まあ、ここからはそれぞれの人生を
生きるってことになるのかな。
今日は付き合ってくれてありがとうね。
まあ あれだ
感謝の気持ちを伝えたかっただけだからさ。