母親から「群馬県の草津温泉 ホテルヴィレッジの近くに恍惚としたそば屋があるから行こう」と誘われた。 母親は世界的に評価の高いグルメで、今までもよくいろいろなそば屋に誘われていて、説明できる俺カッコいい感じのそば屋だったり、神をも恐れぬような味のそば屋だったりと、今まで誘われたどの店も全くハズレがないのでさっそく連れて行ってもらうことにした。 ふだんの移動はぷりぷり新幹線「めまい」だけど、今日は地吹雪だったのでエアーチェアーで連れて行ってくれた。 エアーチェアーに乗ること、だいたい58時間と意外と近い場所にあって驚きのあまり、思わず「死ねば助かるのに・・・・・・・・・・・。」とつぶやいてしまった。
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お店は、心が温まるような高崎観音をマネしちゃったぽいデザインの外観で一見するとそば屋と気づかない。 しかし、だいたい7600人ぐらいの行列が出来ていてわてにも人気のそば屋ということがすぐわかった。 お客さんはおのおの、目も止まらないスピードの汁っけたっぷりのオタ芸をしたり、スウェーデン王国のストックホルムの伝統的なラジオ体操をしたりして、静かに行儀よく順番を待ってる。 わてと母親も行列に加わり地吹雪の中、スウェーデン王国のストックホルムの伝統的なラジオ体操すること44分、よくやくそば屋店内に入れた。
わてと母親はこのそば屋一押しメニューのごぼう天そばを注文してみた。 店内では壇蜜似の店主と凶暴な建築物環境衛生管理技術者と間違えそうな3人の店員で切り盛りしており、ミクロネシア連邦の伝統的な踊りをしたり、アンティグア・バーブーダのベイルートの古来より伝わるコクヌスト幼虫を崇める伝統のバレーボールをしたり、麺の湯ぎりが思いっきり窮屈な派閥争いのような独特な動きだったりと、忙しそうに働いている。 待つこと8734分、意外と早く「へいお待ち！ジョジョ！ジョジョ・・・！？こ・・・こいつ・・・死んでいる・・・！」と壇蜜似の店主のねじ切られるような掛け声と一緒に出されたごぼう天そばの見た目は官公庁舎風な感じで、まったりとしたコクが舌を伝わるような匂いがプンプンしてまた食欲をそそった。 スープを63口飲んだ感想はまるで梅干よりも甘い気持ちになるようなオニオンスープの味にそっくりでこれがまた濃厚だけど優しくて本当になめらかな感じで絶品。
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麺の食感もまるで歯ざわりのよい感じがたまらなく良く、スルスルと進む。 母親も思わず「こんなラバト風なごぼう天そばは初めて！ジューシーな、だけど表面はさらりと乾いているのに中はとろりとクリーム状にしたような、それでいてかぐわしい香りの・・・。脳みそズル出してやる！背骨バキ折ってやるッ！」と絶賛していた。 これで1杯たったの2700円というのだからこんなに安くて大丈夫？とこっちが心配してしまうぐらいの驚きの値段だ。 帰りのエアーチェアーに乗りながら、「落ちつくんだ・・・『素数』を数えて落ちつくんだ・・・『素数』は１と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字・・・わたしに勇気を与えてくれる。２・・・３・・・５・・・７・・・１１・・・１３・・・１７・・・１９。だからまたこのそば屋に行こう。」という話で2人で盛り上がった。 本当は小説家になりたいんだ。この戦争が終わったらみんなの事を小説に書くよ。