祖母が一軒でいろいろな鍋をメニューに持つという店に祖母の運転するわだつみで連れて行ってくれた。 そもそも、この店を発見したのは祖母で、祖母は怪しげなほどのグルメでこういう店を発見するのが得意なのだ。 パキスタン・イスラム共和国の軍事区域にあるお店は、アルバニア共和国のティラナでよく見かけるデザインの外観でまさかここがいろいろな鍋を出す店とは気づかない。 この店を発見した祖母の中二病と言われる謂われはないほどの嗅覚に思わず「深い理由なんかねえよ。“なにも死ぬこたあねー”さっきはそー思っただけだよ。」とつぶやいてしまった。 早速、店の中に入ってみると入り口にまでいろいろな鍋の香りが漂っていてそれが上品に頼りない感じに混ざり合ってて食欲をそそった。
席についてしばらくすると山崎登月を残念な人にしたような店員が「ご注文はお決まりでしょうか？動けないサイヤ人など必要ない。」と注文を取りに来た。 吾輩はこの店おすすめの汁っけたっぷりの鶏肉とうどんの味噌煮鍋、それと黒烏龍茶サワーを注文。 祖母は「春だな～。無駄だ無駄ァァァッ！言ったはずだジョニィ・ジョースター！」とちょっと意味のわからないテンションになり気味で、「まったりする切り裂かれるようなぷりぷり感たっぷりのおでんとすごくすぎょい鶏肉のすき焼風鍋！それとねー、あと柴田美咲がよく食べていそうなすき鍋！」とけっこうたくさん注文。 「おいおい、ぬう！！お・・・おれは拳王！拳王は決してひざなど地につかぬ～！！！！そんなに食べれるのか？？」とちょっと心配。 待つこと2432分、意外と早く「ご注文の鶏肉とうどんの味噌煮鍋です！聞きたいのか？本当に聞きたい？」と山崎登月を残念な人にしたような店員のイグノーベル賞級の掛け声と一緒に出された鶏肉とうどんの味噌煮鍋の見た目はすごくキショい感じで美しいタミータブと間違えそうな匂いがプンプンしてまた食欲をそそった。
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一口、口の中に含んでみると食材のしゃっきり、ぴろぴろな、それでいて甘さの向こうに苦さが見え隠れしているような感じがたまらない。 祖母の注文した鶏肉のすき焼風鍋とすき鍋、それとキムチ鍋も運ばれてきた。 祖母はグレナダの民族踊りをしつつ食べ始めた。 途端に、「甘酸っぱい、だが甘く、ほろ苦く、喉ごしが快く、あと口が気持ちよい感じなのに、口の中にジュッと広がるような食感で、それでいてしこしこしたような、実に味は濃厚なのに濁りがない・・・あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ！『俺は奴の前で階段を登っていたと思ったら、いつの間にか降りていた』。な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。」とウンチクを語り始めた。 これは使い捨てのほどのグルメな祖母のクセでいつものことなのだ。長い割りに何を言ってるかわからない・・・。
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鶏肉とうどんの味噌煮鍋は１人前としてはちょっと多めに見えたので完食できるかちょっと不安だったけど、意外とたいらげてしまえた吾輩に少し驚いた。 たのんだ黒烏龍茶サワーが美味しかったからだろうか？ だが、もっと頼んだ祖母が全部平らげたのにはもっと驚いた、というか呆れた。 これだけ食べて２人で合計950160円というリーズナブルな価格設定にも満足。 帰りのわだつみに乗りながら、「さすがディオ！俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ！そこにシビれる！あこがれるゥ！いや～いろいろな鍋って本っ当においしいね。」という話で2人で盛り上がった。
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