去年の7月発行したPTA新聞の企画内容です。
今度入学する1年生の保護者には
参考になるかな
と思いました。
広報委員会企画=進路で座談会(6月26日)
子供の進路 どう取り組めばいいの!?
今回は進路委員会とタイアップして座談会を企画しました。
子供達は学校でどんな進路指導を受けているのか。
また、親は家庭の中で子供に何をどう伝えていけばいいのか。
どうやって進路の情報収集すればいいのかなど、
ざっくばらんに話し合いました。
吉田:
まず、就職についてなのですが、
企業はどんな人材を求めているのでしょうか。
寺瀬先生:
ありきたりなのですが、
社会人として当たり前のことができないといけないですね。
例えば挨拶ができる、時間を守ることができる。
その辺りは高校の勤怠もかなり影響してきます。
欠席や欠課が多いのは印象も良くないので、
書類審査で落ちてしまうこともあります。
あとやる気や元気がある、
積極的であるという面も企業は求めています。
崎浜先生:
先日、県外就職した子供達の企業訪問をしたのですが、
人間関係と言いますか、
コミュニケーションを取ることが少し苦手な子が多いと。
最近の子供達はそこが課題です。
会社の中で先輩や同僚とコミュニケーションを取りながら
人間関係を築き上げていく事も学校で教えていかなくては
いけないなと考えています。
企業の方は出来れば3~5年くらい
居てくれればいいと話してくれましたが、
私なりに感じているのは県外へ行って
考え方や視野を広げるというのは
必要じゃないかと感じています。
県内就職した子供達よりも県外就職した子供達は
いくつも高い壁を超えないといけないです。
そこは企業の方も分かっていて、
同郷の先輩を呼んで悩みを聞いてもらう場を
設けたりしている企業もありました。
私達教員もそういう企業を見極めながら
送り出す必要もあるかと考えています。
當山:
企業は高卒よりも大卒の学生を
採用したいのではないでしょうか。
寺瀬先生:
保護者の方はなるべく大学までと
考える方は多いかもしれませんが、
どちらにもメリット・デメリットはあります。
大学は専門知識も身に付きますし、
コミュニケーション能力も高いでしょう。
高卒は大学生よりも4年も早く
就職できるわけですから有利ですよね。
職種によって高卒・大卒が関係なく
採用する企業もあります。
崎浜先生:
うちの卒業生ですが、
県外のお寿司屋さんに就職したのですが、
採用担当者が言うには
「人が好きであればそれでOK」とおっしゃっていました。
彼はそのお寿司屋さんで修行して、
今はアメリカの店舗を任せられたと聞いています。
なので高卒・大卒が特に関係ない職種もあるので。
寺瀬先生:
あと自立するという事も大事だと思います。
県内は就職先が少ないので、
県外へ行って頑張るというか、
自分で生活させる事も大事ではないでしょうか。
崎浜先生:
実は企業の方から保護者に伝えて欲しいと
言われていることがありまして。
県外企業に就職した子供達の
定着率が悪い原因の一つに
「何かあったらすぐに帰っておいで」と
親が言っているのではないかと。
そこはやっぱり「もう少し頑張って」と
言ってあげて欲しいです。
吉田:
実は私もそれを言いそうになる時があるんです。
今息子が千葉で働いているので時々電話で
「もうキツイよ」とか
「疲れた」とか言うので。
でもそこは私もグッと堪えて
「そうか、でもよく頑張ってるね」
「前はすぐ逃げ出したのに、今は逃げないね」と
前向きに誉めるようにしてます。
内村:
でも仕事ってどこで働いてても
同じだと思うんですよ。
社会に出て仕事してたら辛いことって
いっぱいあるじゃないですか。
だから子供には「辞めて帰って来てもいいけど。
キツイとか辛いというのは
どこも一緒だよ。」って話していますね。
突き放すことも大事かなと思います。
吉田:
7月1日から本格的に
就職活動が始まっているのですが、
学校は保護者へどのように情報を
提供しているのでしょうか。
崎浜先生:
就活はもう始まっています。
各クラスで放課後に進学・就職の
流れについて説明がありました。
その次に産業支援センターで行われたガイダンスでは、
進学組と就職組に分かれて講師の講義を受けています。
また就職のメンバーは来月ですけど、
ハローワークで面接の練習や、
履歴書の書き方などの講習を受けます。
学校側は色々とアクションを起こしているのですが、
それを保護者にどう伝えるかは、
担任の先生方と連携しなければいけないと思っています。
進学もまたそうですね。
大学も専門学校も費用がかかりますから。
担任、保護者との連携を密にとって
進めていかなければいけないですね。
吉田:
奨学金の申し込みもそうですよね。
生徒にはいつ案内してるんでしょうか。
寺瀬先生:
4月にはクラスに掲示しています。
内村:
私の子供は寮にいるのですが、
急に進学したいというので、
奨学金の説明を聞きたいなと思って
学校へ来てみたら、もう終わりましたと言われて。
でも先生の計らいで急いで書類集めて
どうにか提出できたんですけど。
寮に住んでいるとなかなか会えないので、
電話で話しても子供が詳しく聞いていなかったりして。
崎浜先生:
その辺りは私たちも担任の先生と連携して
問題解決していきたいと思います。
吉田:
できれば4月に締め切る奨学金もあるので、
2年生の保護者に対して奨学金の情報が
伝わるようにできればいいなと思います。
大城:
奨学金は一年前から申し込まないとダメなんですか。
大学の試験が終わってからではダメでしょうか。
崎浜先生:
これは予約奨学金といって専門学校や大学に
進学する子供達は先に予約をして取るという形を
とっていることが多いのですが、
これに漏れたからといって受けることが
出来ないという訳ではないんです。
進学先で同じような手続きを取ることができます。
吉田:
大学受験についてなんですが。
やはり普通高校に比べて不利なような気もします。
寺瀬先生:
沖縄水産高校は専門高校なので、
水産、商業、工業、農業の専門の授業を
ちゃんと受けなければならないので、
普通高校に比べて5教科の時間は少ないと思いますが、
大学受験に向けて頑張るのであれば、
先生方も個別に対応してくれるので、
「先生、ここが分からないから教えて欲しい」と
来てくれれば対応しています。
ただ勉強を教えて欲しいと言ってくる生徒は
いないのが現状なので。
吉田:
大学に行きたいのなら、
やはり一年の時から取り組まないと
厳しいかもしれないですね。
當山:
うちの子が大学進学を希望していて、
推薦を狙っていたのですが、
先日大学の説明会に参加して、
英語の質問があるのでそれは英語で返しなさいと
言われたらしく。
一年の時にしか英語の授業を受けていないので、
本人は諦めようとしています。
寺瀬先生:
総合学科では選択の授業があるので、
生徒達は楽しそうなものを選んでしまう傾向があります。
だから自分の進路に合わせた科目を
選択することが重要ですね。
三年生が一番多いのですが、
5教科は特に子供達は敬遠してしまいます。
人文系列は5教科がちゃんとありますので
大丈夫なんですが。
入試の時に困らないように選択科目は
ちゃんと考えて選んでほしいです。
崎浜先生:
特に医療系、看護系、リハビリ系、医学療法士、
作業療法士などは基礎科目ができる力がないと
なかなか入れないです。
三年になってからでは遅くて、
もし一年生の時からそういう希望があるのであれば、
必要な科目をきちんととっていく事、
本人が努力すれば放課後などの時間で
勉強していく事もできるんです。
対策も出来ます。
なので早めの目標設定が重要になってきます。
寺瀬先生:
総合学科のことではあるんですけど、
進路指導に関しては一年から三年まで
段階的に行ないます。
産業社会と人間という授業があるのですが、
進路指導の内容になっています。
卒業した後の人生設計をどうするのか、
卒業するまでどうするのかを考えてもらいます。
二年生ではインターンシップもあります。
一年生の時から考えるきっかけ作りをしています。
吉田:
大学や企業へ出す書類はいつまでの
成績が反映されるんでしょうか。
寺瀬先生:
就職の時期や、AO入試の時期など、
提出する時期が違いますので、
その都度書類を作ります。
成績と勤怠状況がありますが、
成績、つまり5段階評価は学年末にしか出ないので
その都度仮評定を出します。
勤怠状況もその都度出すようにしています。
生徒には就職や進学が決まったと
安心してはいけないと話しています。
企業によっては最終的な成績、勤怠状況を
求めてくることがあるからです。
また高卒の場合、5割くらいですが、
離職率も高いので、転職する場合も最終学歴が
ずっとついて回ることになります。
採用が決まったから、大学に合格したからといって
急に学校へ来なくなったりすると後で
本人が困ることになります。
なので卒業するまで気を抜かないで欲しいと思います。
眞榮里:
学校では講話会などは年に何回あるんでしょうか。
寺瀬先生:
マナー講習のようなものもありますし、
就職希望者のガイダンス、
進学希望者の説明会などもかなりあります。
生徒は忙しいくらいですよ。
眞榮里:
卒業生を呼んだり企業の方を呼んだりする
職業講話などもあるんでしょうか。
吉田:
海洋技術科では年に2~3回はあります。
眞榮里:
沖水祭の時に進路講演会もあるのですが、
保護者の参加が毎回少ないですよね。
とてもいい内容のお話が聞けるのに、
やはり保護者の関心が低いのではないかと感じます。
なので、子供たち向けの講演会に
保護者も参加できるようにするといいなと思います。
吉田:
今日はありがとうございました。
この座談会は今後も続けられたらいいですね。